「いますかね。」 「いるさ。…ゲートトレーサーがそう言っている。」
ノッポは、双眼鏡を降ろして、毒女ことPLが、もの憂げに椅子に座っている姿を見た。
「あの男ですかい。」 「…いい男…だったんだけどね。少なくともあと5年もすれば。」 「…すみません。」 「アンタが謝ってどうするんだい。…仕事だよ。仕事。それに、まだ死んだって決まったわけじゃない。怪我させたほうが言う義理じゃないけどね。」
PLは、鼻息を一度吐いて、別のことを言った。
「それにしても、いまいましいね。この世界は。汚染された海に、廃虚に砂漠。気分が滅入ってしょうがないよ。」 「そうですね。」